オーソライズドジェネリック 一般ジェネリックよりも高信頼
オーソライズドジェネリック(AG:Authorized Generic)とは、新薬メーカーから許諾を受けて製造・販売されるジェネリック医薬品のことです。
通常のジェネリック医薬品は、後発医薬品メーカーが独自に開発・製造しますが、オーソライズドジェネリックは元の新薬メーカーが開発・製造に関わっています。
そもそもジェネリック医薬品とは
ジェネリック医薬品とは、既に特許が切れた新薬(先発医薬品)と同じ有効成分を持ち、同じ効き目を持つことが認められた医薬品のことです。厚生労働省が定める基準に従い、生物学的同等性試験を通過することで、先発医薬品と同等の品質が保証されています。
ジェネリック医薬品と新薬の違い
新薬とは、製薬会社が長い年月と多額の費用をかけて開発した、これまでになかった新しい薬のことです。新薬には特許が与えられ、特許期間中はメーカーの独占的な販売が許されています。
一方、ジェネリック医薬品は、新薬の特許が切れた後に製造・販売されるため、開発費用が低く抑えられ、結果として薬の値段も安くなります。
イメージとして、 新薬は「オリジナルブランド」、ジェネリック医薬品は「お手頃価格の類似品」 と捉えると分かりやすいでしょう。
ジェネリック医薬品の品質と信頼性
ジェネリック医薬品について調べていると、「本当に効果があるの?」「品質は大丈夫?」といった疑問を持つ方もいるかもしれません。低価格な分、品質面で不安を感じてしまうのは当然のことです。
しかしながら、日本で販売される全ての医薬品は、厚生労働省の承認を得ることが必須であり、ジェネリック医薬品も例外ではなく、新薬と同等の厳しい審査を受けています(詳細は省きますが、人を対象にした臨床試験ではP1からP3まで、計3回の試験が行われています)。
具体的に、ジェネリック医薬品は新薬と同じ有効成分を使用し、以下の点が同等であることが求められます。
- 治療効果(有効性): 病気に対する効果。
- 安全性: 副作用のリスク。
- 品質: 有効成分の含有量や純度などが、一定の基準を満たしていること。
- 体内動態: 体内に吸収されてから排出されるまでの過程や速度。
これらの審査をクリアしたジェネリック医薬品だけが、厚生労働省から承認を受け、販売が許可されます。つまり、ジェネリック医薬品は、効果や安全性において、新薬と同等の品質が保証されていると言えるのです。
また、ジェネリック医薬品を製造するにあたり、医薬品製造で遵守する必要があるGMPと呼ばれる国際基準に縛られています。GMPの基準の下で、製造過程全体が監視され、定期的な査察も行われ製造体制に問題がないことが確認されています。この体制により、消費者は安全で効果的な医薬品を入手できています。
GMP:Good Manufacturing Practice。医薬品の製造管理及び品質管理の基準のこと。日本のGMP省令の他、cGMPやEU GMP、ガイドラインとしてのPIC/S GMPなど色々ありますので、医薬品に興味がある方は調べて見てください。
オーソライズドジェネリックのメリット・デメリット
メリット
- 有効成分、添加物、製法が新薬と一緒であり品質が保証されている。一般的なジェネリックの場合、有効成分が一緒だか、添加物や製法の違いにより薬の効き目や副作用に違いが出てくる可能性がある(添加剤や大きさが新薬と異なることがあり、このあたりが新薬からジェネリックに変えたら効き目が変わったという意見が聞こえてくる原因だと思ってます)。
- 新薬メーカーが関わって開発および製造されているが、新薬より安価。
デメリット
- 新薬よりは安価だが、一般的なジェネリック品よりは高価であることが多い。
- すべての新薬代替となるオーソライズドジェネリックがあるわけではない。
オーソライズドジェネリックの種類
オーソライズドジェネリックは、製造過程によって3種類に分かれています。
AG1:新薬と同一の原薬、添加物、製法、製造工場、製造技術。
AG2:新薬と同一の原薬、添加物、製法だが、製造工場、製造技術は異なる。
AG3:新薬と同一の添加物、製法だが、原薬、製造工場、製造技術は異なる。
ジェネリック医薬品が不安な方は、基本的に新薬と同等であるAG1を選択するのがおすすめです(ただし、オーソライズドジェネリックのため必ず新薬代替があるとは限りませんが)。
オーソライズドジェネリックの調べ方
国が一覧として出している情報が無いため、基本的には各ジェネリックメーカーのHPなどを確認して調べる必要があります。
下調べとして一覧をざっと確認したい場合、下記サイトなどが参考になります。
まとめ
オーソライズド・ジェネリックは、新薬メーカーから許諾を受けて製造・販売されるジェネリック医薬品です。
オーソライズドジェネリックは、製造過程によって下記3種類に分かれています。
AG1:新薬と同一の原薬、添加物、製法、製造工場、製造技術。
AG2:新薬と同一の原薬、添加物、製法だが、製造工場、製造技術は異なる。
AG3:新薬と同一の添加物、製法だが、原薬、製造工場、製造技術は異なる。
オーソライズドジェネリックの開発・製造には新薬メーカーが関わっており、一般ジェネリックよりも品質が保証されています。
一方で、新薬のオーソライズドジェネリックが必ずしもあるわけでなく、選択できない可能性もあるため注意が必要です。
オーソライズドジェネリックは、一般的なジェネリックよりも高価であることが多いですが、新薬よりは安価ですので、効果を求めつつ医療費負担を抑えたいという方におすすめです。